こんにちは!万代家具桑名店です。
先日、来店されたお客様から合皮張りのソファが2~3年の使用でボロボロになったと相談を受けました。
そのようなことがありましたので今回は合成皮革の回にしようと思います。
【そもそも合成皮革とは?】
布地に合成樹脂を塗り人工的に作られた素材です。
天然素材の本革に似せて作られる意図のためフェイクレザーとも呼ばれます。
【合成皮革の種類】
ソファの張地に使用される合成皮革は主にPVCレザーとPUレザーの2種類になります。
【PVCレザー】
PVCとはPolyvinyl chloride(ポリビニールクロライド)の略称でポリ塩化ビニルのことです。
布地にポリ塩化ビニルの合成樹脂を塗布した素材でビニールレザーとも呼ばれます。
製造コストが安いため、低価格帯のソファに使用されることが多い事と、本革張りのソファ本体の背面などにも価格を下げるために採用されます。
水分への耐性が高く、水拭きや中性洗剤を使用した拭き掃除も可能であり日々のメンテナンスは非常に楽な素材といえます。
しかし表面が硬くつるつるしているので滑りやすく、通気性も良くありません。
メンテナンス性が高く低コストであるが快適性に劣るといえます。
【PUレザー】
PUとはPolyurethane(ポリウレタン)の略称のことです。
布地にポリウレタンの合成樹脂を塗布した素材で柔らかくしなやかな表面になるためソフトレザーとも呼ばれます。
PVCレザーよりも製造コストは高くなりますが通気性が多少あり肌触りも良くなるため本革張りのソファに近い質感が表現できます。
ソファの掛心地は張地にかなり影響されるためPUレザー張りのソファの方が良く感じる方が多いと思われます。
しかし通気性はPVCレザーよりも多少ましな程度なので長時間の使用で蒸れやすくべたつきが発生します。
【なぜボロボロになるのか】
PVCレザー
PVCレザーはもともと硬いPVC樹脂を柔らかくするため可塑剤(かそざい)を添加しています。
光や空気中の酸素が原因でこの可塑剤が抜けてくるため表面が硬くなりひび割れしていきます。
あまりご使用されていなかったとしてもPVCレザーの硬化は進むため久しぶりに着座されると急にひび割れが始まり表面材が剥離してくることもあります。
PUレザー
PUレザーに使用されているポリウレタンは水分との化学反応により表面材がひび割れしてボロボロに剥離してきます。
この現象を加水分解と呼びます。
使用者の汗はもちろん、ソファを設置している部屋の湿度が高いだけでも反応してしまいます。
表面材にまだひびが入っていなくても硬くなってきたりべたついてきたりしていると、すでに加水分解は始まっています。
【ボロボロを防ぐ方法】
PVCレザーの劣化は防ぐことはできませんがPUレザーの劣化は遅らせることなら可能です。
頻繁に乾拭きを行うことに尽きます。
特に背もたれ上部、肘、座面前部は肌が接触しやすく加水分解しやすいのでこまめに乾拭きを行ってください。
室内の湿度も影響するので湿気がこもらないように換気をしたり風通しの良い場所に設置したりするのが良いです。
【加水分解しにくい合成皮革】
加水分解しないPUレザーはありませんがしにくいものならあります。
それはジャングルテストを行い好成績の結果の生地になります。
ジャングルテストとは生地の劣化促進試験として湿度95%、温度70℃以上の環境下に生地を晒す方法です。
試験期間1週間は一般家庭で使用したときのほぼ1年間に相当するとしています。
万代家具桑名店で展示しているソファに10年相当のジャングルテストに合格した生地を採用しているソファもあります。
【最後に】
技術は常に進歩しており合成皮革は常に改良されてきました。
加水分解しにくい生地、引っ掻き傷に強い生地、より本革の構造に類似している生地(人工皮革)などさまざまあります。
また近年の環境問題に対する意識の高まりにより従来の製法よりも省エネルギーで製造できるものも増えてきました。
家具を取り巻く環境は日々変化しており、合成皮革=弱い生地ではなくなりつつあります。
しかしかけられたコストにより性能は大きく変わり、低コストの生地であれば数年で劣化することもあります。
家具もピンからキリまでの時代です。
万代家具ではお客様のご要望にお応えできるよう多くの商品を取り揃えておりますのでご安心下さい。
しっかりとご説明させていただきます。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
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